後継者不足の社会課題などにより近年M&Aの件数は増加し、それに伴いM&A仲介業界はかつて無いほどの盛り上がりをみせています。業界の中に入って色々な方と意見交換をする中、盛り上がっている当業界こその危うい状況も見えてきたので、トピックに分けて掲載していきます。
M&A仲介業界が少しでも良くなり、譲渡企業、譲受企業にとって良いM&Aが実施されることに役立てば嬉しく思います。
第2回目の今回は『M&Aアドバイザーの実力の不確かさ』の続きとなります。
後継者不足の社会課題などにより近年M&Aの件数は増加し、それに伴いM&A仲介業界はかつて無いほどの盛り上がりをみせています。業界の中に入って色々な方と意見交換をする中、盛り上がっている当業界こその危うい状況も見えてきたので、トピックに分けて掲載していきます。
M&A仲介業界が少しでも良くなり、譲渡企業、譲受企業にとって良いM&Aが実施されることに役立てば嬉しく思います。
第2回目の今回は『M&Aアドバイザーの実力の不確かさ』の続きとなります。
そうは言ってもこの状況は今後も暫くは続くと考えられます。
M&Aは労働集約型のビジネスモデルであることから、各社、M&Aアドバイザーの「数」を増やすことを重要視しています。結果的に、十分な教育がされないまま、アドバイザーの実力が不確かであっても、未経験から数ヶ月で独り立ちさせてしまうケースがほとんどです。会社としては成約数を増やすことが重要なので当然ですが、オーナー社長にとっては必ずしも良いこととは言えません。
特に、上場している仲介会社は業績(成約数)が株価に直結するので、成長性を市場に示すためにもこの動きは止められないと考えられます。
また、給与体系的にも、M&Aアドバイザーの年収は固定給+インセンティブとなっており、高年収の人はインセンティブがほとんど割合を占めています。「頑張った人はたくさんもらえる」と言うと聞こえは良いですが、会社としては、固定給が低いから多くの人を雇うことができ、その中で少数でも稼げる人がいれば良いというような状況にも見てとれます。その結果、実力の不確かなアドバイザーが量産されてしまっているのかもしれません。
各社の業績が好調な以上、この状況を変えるのは難しいと考えられます。
今後どこかのタイミングで、M&A会社の成長が鈍化すると徐々に実力が不確かなアドバイザーは淘汰されていくのだと思います。
それまでに譲渡企業がやるべきことは、M&A会社・M&Aアドバイザーを選定する際にその素養をしっかりと見定めることです。経歴や実績を見るのも一つの指標となるでしょう。
そして、M&A仲介会社としても、ある程度の期間をかけて、アドバイザーをしっかりと教育することが大切です。しっかりと教育していくことを考えると、年間に何十人もアドバイザーを増やすことはほぼ不可能でしょう。
人員は徐々にしか増えないものの、メンバーは全員プロフェッショナル集団であるような組織が良いと思いますし、そういう会社が多く存在することが譲渡を検討するオーナー社長、及びM&A業界にとっては良いのではないかと考えています。