M&A DXの会社概要
続いてM&A DXの拠点や対応業種、対応している案件規模をみてきましょう。基本的には日本全国で業種や規模に関係なく対応しています。牧田彰俊社長は業種については、「あまり業種に特化する意味はないのではないか」と考えられているようです。
代表の牧田彰俊氏は公認会計士で牧田公認会計事務所の代表も務めていたのでM&A DXは公認会計事務所と考える方もいるようですが、M&A仲介業を中心とする会社です。
拠点とサービス展開地域
- 東京、名古屋、大阪、福岡の4箇所に拠点
- 本社は東京都港区浜松町の世界貿易センタービルディング17階
- 日本全国でサービスを展開
業種
対応可能規模
M&A DXの強み
- M&Aで発生する損失をカバーする損害保険を全M&A案件に無料付保
- 豊富なサービスライン
- 日本全国のネットワーク力
- M&A専門家率の高さ
- 相手先候補を最大化するためのデータを用いたマッチングアルゴリズムの開発
表明保証保険の付帯サービス
当社は本サービスを2022年4月1日よりあいおいニッセイ同和損害保険株式会社と提携して開始しています。サービス内容としては、成約後に表明保証事項に誤りがあり買い手側に損失が出た場合に、通常は売り手が損失額を補償しなくてはいけませんが、一定額までは保険会社から保険金が買い手企業に支払われ、売り手企業の負担が減るというものになります。ただし、M&A DXが設定する一定の条件を満たす必要があります。
表明保証保険の加入は欧米のM&Aにおいても多くなっており、国内でも例えば以下のようなM&A仲介会社が導入しています。
- 2021年10月に日本M&Aセンターと東京海上日動火災保険が業務提携をし開始
- 2022年5月にM&Aキャピタルパートナーズ株式会社と損害保険ジャパン株式会社が業務提携をし開始
- 2021年9月にストライクと三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険が業務提携をし開始
M&A仲介会社でも同サービスを導入している会社が増えています。今後は大半のM&Aに表明補償保険が付与されることが予想されます。
M&A DXの仲介手数料
売り手企業(譲渡企業)
- 手数料体系や成功報酬の計算基準、料率テーブルなどは非公開
買い手企業(譲受企業)
M&A DXの仲介手数料についての見方
M&A仲介サービスを提供しているある程度規模のある会社で手数料を非公開としている数少ない会社です。どのような手数料体系になっているか、成功報酬の料率テーブルはどうなっているか、最低報酬はいくらかなどは確認する必要があります。一般的に完全成功報酬制を採っているM&A仲介会社はその点を自社の強みとしてアピールする傾向にありますので、M&A DXは着手金または中間金のどちらか、または両方が必要になると考えられます。
仲介手数料を確認のために連絡がきた際に営業を行う営業戦略の一環であると考えられます。
M&A DXの成約実績
M&A DXの成約実績は、「サポートしたM&Aの流通総額が累計500億円以上」となっています。
M&A DXの売上高や営業利益は非公開となっています。
官報決算データベースの決算公告によれば、2020年12月期の純利益は▲3,052万円だったようです。
M&A DXの評価・評判・口コミ
M&A仲介業務だけでなく、幅広いM&Aサービスを提供していることを強みとする会社です。2018年1月の会社設立なのでベンチャー企業と見られています。
士業や金融機関出身者が比較的多く在籍しています。2022年は40人の方が入社され急拡大していますが、M&A未経験者も多く採用しているようなのでM&Aアドバイザーの質の向上は今後の課題点の一つとなります。採用を積極的に行って拡大し、IPOを目指しているようです。
ウェブでの集客に加え、他社同様に営業電話、ダイレクトメール(DM / 手紙)などでも案件獲得のための営業をしているようです。一方で、あまり迷惑電話や怪しいなどと検索はされておらず不快感を与える営業は行っていないようです。
M&A DXは怪しい会社なのか?
M&A DXは日本全国で様々な営業をしているので営業を受けた方はあやしい会社なのではないかと考える方も多いと思います。特に会社を売りませんか?というM&Aに関する営業なので怪しいと疑う方が多いのも無理はありません。しかし、M&A DXはM&A仲介サービスを提供している企業であやしい企業ということはありません。ただし、騙されるということはないと思いますが、手数料は数千万円以上となるので選択の際はしっかりと検討する必要があります。
株式会社すばるからM&A DXへ社名変更はなぜ行ったのか?
元々は「株式会社すばる」という社名でしたが、2021年8月にM&A DXへ社名を変更しています。会社のURLは引き続き"subaru"を使用しています。株式会社すばるだと何を事業としてしている会社か分かりにくかったため社名に「M&A」を入れたものにしたかったとのことです。そこによりテクノロジーを活用しているイメージを出すために「M&A DX」としました。社名の他の候補としては「M&A Tech」、「M&A Technologies」、「M&A Digital」などがあったようです。
相手候補先の最大化するマッチングアルゴリズムの開発を行っていますが、現在はまだ発展途上の段階のようです。
2018年1月の創業時のM&A DXの創業メンバーは?
創業時は牧田彰俊氏がM&Aの顧問業を行っていたようです。設立時は4名体制で初めたものの、その内1名は参加せず、他の1名はお客さんの企業に転職したということで、現在は2名のみ創業メンバーとして残っているようです。
M&A DXはウェブマーケティングに力を入れている?
M&A DXは案件獲得や採用を目的にウェブマーケティングに力を入れています。マーケターとして複数人採用されています。SEOに加え、YouTubeやTikTok、TwitterなどSNSを積極的に活用してウェブマーケティングを行っています。
<YouTube>
代表の牧田彰俊氏はYouTubeで、M&Aの話やビジネス全般の話を発信されています。ご自身でもYoutuberと名乗っており、M&A仲介会社の社長の中でもかなりメディア露出が多いのが特徴です。
<Twitter>
M&A DXの会社の公式アカウントとは別に、代表の牧田彰俊氏はTwitterにおいても積極的に情報発信を行っています。
<令和の虎>
人気YouTubeチャンネルの「令和の虎」にも牧田彰俊氏は出演されていました。積極的にチャンネル登録の多い番組に出演し、知名度をあげようと努めているようです。
<タレント起用 / タクシー広告>
一時期はタレント要潤さんを使ってタクシー広告を行っていました。問い合わせ数は増加したようですが、案件獲得に対する費用対効果は高くなかったのか現在は行われていません。
また、ウェブサイトもタレントの菊川怜さんをイメージモデルとして使用していましたが、現在は使用されておらず契約が終了したと考えられます。
<エアトリとの資本業務提携>
2021年12月には旅行事業、IT開発事業、メディア事業などを手掛ける株式会社エアトリと資本業務提携を締結しました。この提携により力を入れているウェブマーケティングを強化していくと考えられます。
M&A DXは上場している?上場予定がある?
M&A DXは現在上場していません。また上場予定なども公式には発表されていません。ただし、将来的に上場は狙っているようです。
M&A仲介会社では既に、日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライク、M&A総合研究所、オンデック、名南M&A、ペアキャピタル(TOKYO PRO Market)が上場しており、また上場を狙っている会社も複数社あるため、簡単には上場できない可能性が高いと考えられます。
M&Aは事業の特性上、成約するまでまとまった金額が入らず、且つ、成約することが必ずしも見通せるものではないため予算を立ててもその数値を達成することが簡単ではないことも上場の難易度を上げています。
M&A DXのその他情報
M&A DXの会社沿革
- 2018年1月に創業社長の牧田氏によって設立されたM&A仲介会社
- 2021年8月に社名を株式会社すばるから株式会社M&A DXへ変更
- 2021年12月にエアトリCVCより出資
- 牧田公認会計士事務所(閉業しているようです)と株式会社保険のすばるはグループ会社
創業者で代表取締役社長の牧田彰俊氏の経歴は?
- 代表者の牧田彰俊氏は、早稲田大学中退後に公認会計士の資格を取得
- 有限責任監査法人トーマツ入所し、各種業務の法定監査、IPO支援を経験
- デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に異動し、主に国内ミドルキャップ案件のM&Aアドバイザリーを実施
- 生年月日は1985年6月生まれ
従業員・M&Aアドバイザー
- 従業員数:77名(2023年4月時点)
- ウェブサイトにはM&Aコンサルタントの紹介を掲載
転職・採用活動から見るM&A DX
M&A DXの従業員数の増加スピードは?
M&A DXでは現在人員を急拡大させています。入社人数の変遷は以下のようになっています。
- 2018年:2人
- 2019年:2人
- 2020年:7人
- 2021年:15人
- 2022年:40人
- 2023年4月時点の従業員数:77人
かなりのスピードで採用を行っています。前述の通りM&A未経験の方の採用が多くなっているのでM&Aアドバイザーの質を高めていくのが今後の課題になると考えられます。優秀なM&Aアドバイザーの獲得は同業他社も多い中簡単ではなくなってきている状況です。会社全体のレベルアップのためにも優秀な人間を獲得するルートをいかに確立できるかが重要になります。
M&A DXは中途採用のみ?新卒採用をしている?
M&A DXは正式には新卒採用を行っておらず、社会人経験のある転職者のみを採用しています。ただし、優秀な学生で社会人経験を持っている人にも劣らない人間力や営業力がある場合は例外的に新卒でも採用される可能性はゼロではありません。新卒者可となっています。そうは言っても基本的には狭き門となっているので、M&A DXに入社した学生は別の会社で数年働いた後、転職を狙うのがよいでしょう。M&A仲介会社の同業他社でM&Aアドバイザーの経験を積むか、法人営業の経験が積める会社でトップレベルの営業成績を収めれば転職がしやすくなると考えられます。
M&A DXの年収は?インセンティブの割合はどの程度?
M&A DXに未経験で入社した際の年収モデルは下記のようになっています。
- 1年目:基本給5,000,000円 + インセンティブ2,400,000円 = 合計7,400,000円
- 5年目:基本給7,500,000円 + インセンティブ12,800,000円 = 合計20,300,000円(リーダー職)
- 10年目:基本給10,000,000円 + インセンティブ16,000,000円 = 合計26,000,000円(マネージャー職)
- 15年目:基本給15,000,000円 + インセンティブ18,000,000円 = 合計33,000,000円(拠点責任者)
M&A DXは設立してまだ6年目の会社ですのでこのモデル年収通りにいっている方はいないと思いますが、順調にいけば15年目には30,000,000円は超えるようです。
採用要項によれば、入社時経験別の想定年収は下記のようになっています(インセンティブは含めず)。
■ 27歳・入社1年目(未経験中途)5,000,000円(基本給)+2,400,000円(インセンティブ) = 7,400,000円(年収)
■ 30歳・入社1年目(経験者中途)7,000,000円(基本給)+13,000,000円(インセンティブ) = 20,000,000円(年収)
■ 32歳・入社5年目(未験者中途)7,500,000円(基本給)+12,800,000円(インセンティブ) = 20,300,000円(年収)
経験者として入社するのと未経験者として入社するのでは、年収には大きな差がでます。また、自身の成約実績次第にもよると考えられますが、同業他社対比ではインセンティブの割合が低く、基本給の割合が高い報酬設計となっていると考えられます。
このような高年収を実現するためには、会社から求められるリーダーシップ力、営業能力やビジネスに対する知識レベルも相当高いものと考えられます。入社後も日常的に自身でM&Aやその周辺領域に関する勉強を行い自己研鑽することが必要不可欠と考えられます。
M&A DXの求人・面接対策は?
業界においてM&Aコンサルタントの採用にはコストがかかるようになっていますが、M&A DXはYouTube、TikTok、TwitterなどのSNSを使った採用活動だけでなく、下記のような転職エージェントも活用して採用活動を行っています。良い転職エージェントを見つけて面接対策を行ってから面接を受けるのが重要です。
- Right Brothers
- JAC Recruitment
- PASONA(パソナキャリア)
- AMBI(アンビ)
- Indeed(インディード)
- DODA / PERSOL
- Recuit Agent(リクルートエージェント)
- マイナビ
- ジョブカン勤怠管理
M&A DXの募集職種は?募集している地域は?
M&Aアドバイザーとしては、M&Aコンサルタント、M&Aミドルオフィススペシャリスト、M&Aマネージャーを募集しています。地域としては、東京、名古屋、大阪、福岡で募集しています。
マーケティング人材としてウェブデザイナー、バックオフィススタッフとして採用担当者を名古屋で募集しています。
M&A DXは激務なのか?
M&A業界は一般的に激務であることが知られています。売り手企業や買い手企業の要望に応えたり、M&Aのプロセルを進めていく上で対応しなくてはいけないことが多いためです。また、M&Aアドバイザー1人当たり複数の案件を同時並行で進めているのでより激務に拍車がかかります。
M&A DXは、従業員の数も多くなっているので創業間もなく従業員が少ない企業に比べるとそこまで激務ではないと考えられます。特にIPOを目指している企業なのでより一層社員の労働時間には気をつけていることが考えられ、残業時間も常識的な範囲となっていることが想定されます。一方で、M&Aアドバイザーとして活躍して、高い年収を達成するためには常に仕事のことを考え、勉強もし続ける必要がありますので勤務時間以外での自己研鑽は必要不可欠になります。